掲載日:2018年1月10日
[三省堂古書館]
句 | 暫く聴けり猫が転ばす胡桃の音 | |
作者 | 石田波郷 | |
価格 | \20,000 | |
在庫 | お買い上げ済 | |
書店より | めずらしく猫を詠んだ石田波郷の句。昭和27年作。句集『春嵐』所収。 大きな手術を終えた後の病床からの写生か? 他愛のない猫の仕草を見つめるやさしい波郷がそこにいる。動作ではなく音で、猫の動きを見事に表現している。入手困難な逸品です。 |
句 | 雑炊や頬かがやきて病家族 | |
作者 | 石田波郷 | |
価格 | \28,000 | |
在庫 | 1点 | |
書店より | 病者の自分も一員であるかけがえのない家族を「病家族」と表す。どんなに貧しくても家族の絆は暖かい。決して贅沢とはいえない雑炊だが、それを囲む家族の頬が輝いている。 どんなに豪華な食事も、家族の愛の味にはかなわない。 |
句 | 色鳥やきらきらと降る山の雨 | |
作者 | 草間時彦 | |
価格 | \15,000 | |
在庫 | 1点 | |
書店より | 秋。色とりどりの小鳥たちが舞う里の向こうには、山々が重なっている。小雨が降っているようである。遠目にもきらきらと雨が輝いて見える。 若い頃、結核で学業を断念した時彦の純粋な感性が感じられる句である。 ファンの多い草間時彦の代表句のひとつ。平成15年没。 |
句 | 切株の生きて紅さす雪解風 | |
作者 | 岸田稚魚 | |
価格 | \18,000 | |
在庫 | 1点 | |
書店より | 昭和31年作。「雪解と切株だけなら、きわめてありふれた俳句的なものであるが、「生きて紅さす」に稚魚流の意志的具象力がつよく働いている」……石田波郷評 |
句 | 母に随く筍流しこそばゆし | |
作者 | 岸田稚魚 | |
価格 | \18,000 | |
在庫 | 1点 | |
書店より | 昭和44年作。「筍流し」は第三句集(俳人協会賞受賞)の題名である。「筍流し」とは竹の子の生える頃の少し湿りをおびた南風のことである。そんな日に母に誘われて出掛けた。久しぶりに母と出掛ける。こそばゆい。 |
句 | たかんなの四五本目にてまなこ冷ゆ | |
作者 | 岸田稚魚 | |
価格 | \15,000 | |
在庫 | 1点 | |
書店より | 昭和45年作。岸田稚魚代表作。筍の四五本ほどが、土の中から顔を出している。風にまだ少し冷たさが残る時期。竹の子が出はじめる頃の清澄な空気感を、眼の冷えで表した。 |
短歌俳句川柳堂からのご紹介