掲載日:2022年3月20日


読書は選ぶところから始まっています。
読みのプロでもある著作家の豊かな選書をお楽しみください。
本フェアは2022年5月8日まで神保町本店1階で開催しております。
神保町本店は2022年5月8日で一時閉店いたしますが
これからも、本というバトンをつなぎ続けます!
(選者の方は順不同で敬称は省略させて頂いております。)

「こわい本1」 楳図かずお著
選者:伊藤潤二
私の原点
楳図かずお先生の短編、長編を集めたシリーズです。楳図先生の長いキャリアを俯瞰できる多彩な内容で、読者を圧倒することでしょう。高校時代、最初の朝日ソノラマ版に出会ったときに受けた衝撃は忘れられません。常に私の手本となっているシリーズです。

「ラヴクラフト全集 1」 ハワ-ド・フィリップス・ラヴクラフト著
選者:伊藤潤二
ぞくぞくする雰囲気
ラヴクラフトの小説は、それまでの私のホラーの概念を拡張してくれました。宇宙が恐怖の対象になるなんて思いもしませんでした。そしてホラーでもっとも重要な要素は「雰囲気」であると確信させてくれた作家です。読みづらさに定評がありますが、是非それに耐えて読み進めてほしいです。

「日野日出志トラウマ!怪奇漫画集」 日野日出志監修
選者:伊藤潤二
もう一人のホラー漫画の天才
楳図かずお先生と並ぶホラー漫画の天才・日野日出志先生の作品集です。対談形式の解説が付いています。少年だった私はまず日野先生の独特の絵柄に惹かれ、次に美しい残酷描写に度肝を抜かれました。そして大人になった今、えもいわれぬ哀愁に惹かれます。

「筒井康隆コレクション 1」 筒井康隆著
選者:伊藤潤二
私の人格を形成
筒井康隆先生の小説には高校時代にどっぷりはまり、相当な影響を受けました。斬新なSFのアイデア、思わず腹を抱える笑いのセンス。シニカルな視点などは私の人格にまで影響を及ぼしました。表題作に加え、私も長らく希求していた「SF教室」が収録されています。

「ザ・ビ-トルズレコ-ディング・セッションズ完全版」 マ-ク・ルイソン著
選者:伊藤潤二
創造の過程
ビートルズのレコーディングの詳細な記録に興味津々で読みふけりました。20世紀の奇跡といえる名曲が生まれていく過程に、創造の秘密が隠されていました。アナログの時代だからこそ作曲、録音のアイデアが生きた時代だったと思います。

「嘘、そして沈黙」 デ-ヴィド・マ-ティン著 (絶版)
選者:浦沢直樹
これらの作品はすべて手元にありません。面白い作品だと「これ、読んでみ」と貸してしまう癖があり、だいたい返ってきません。人に貸すということは、よほど面白かったので、自信を持って貸しているんだと思います。
「夜の冒険者たち」は、今は絶版のようですが、40年ほど前に新人漫画賞をいただき、プロ漫画家でやっていこうと思ったはいいけれど、何を描けばいいのか途方に暮れている時、ベテランの担当編集者が「浦沢くんはきっとこれ好きだよ」と紹介してくれた小説で、こんなに自分にぴったりの小説があったのか!こんな作品を描きたい!と創作の根幹となったもので、ちょっと話しただけで僕にぴったりの小説を紹介してくれた編集者の慧眼にびっくりしたものです。
だから今度は皆さんにこの作品を紹介したかったのですが、残念です。

「虎口からの脱出」 景山民夫著 (絶版)
選者:浦沢直樹
これらの作品はすべて手元にありません。面白い作品だと「これ、読んでみ」と貸してしまう癖があり、だいたい返ってきません。人に貸すということは、よほど面白かったので、自信を持って貸しているんだと思います。
「夜の冒険者たち」は、今は絶版のようですが、40年ほど前に新人漫画賞をいただき、プロ漫画家でやっていこうと思ったはいいけれど、何を描けばいいのか途方に暮れている時、ベテランの担当編集者が「浦沢くんはきっとこれ好きだよ」と紹介してくれた小説で、こんなに自分にぴったりの小説があったのか!こんな作品を描きたい!と創作の根幹となったもので、ちょっと話しただけで僕にぴったりの小説を紹介してくれた編集者の慧眼にびっくりしたものです。
だから今度は皆さんにこの作品を紹介したかったのですが、残念です。

「激突!」 リチャード・マシスン著 (絶版)
選者:浦沢直樹
これらの作品はすべて手元にありません。面白い作品だと「これ、読んでみ」と貸してしまう癖があり、だいたい返ってきません。人に貸すということは、よほど面白かったので、自信を持って貸しているんだと思います。
「夜の冒険者たち」は、今は絶版のようですが、40年ほど前に新人漫画賞をいただき、プロ漫画家でやっていこうと思ったはいいけれど、何を描けばいいのか途方に暮れている時、ベテランの担当編集者が「浦沢くんはきっとこれ好きだよ」と紹介してくれた小説で、こんなに自分にぴったりの小説があったのか!こんな作品を描きたい!と創作の根幹となったもので、ちょっと話しただけで僕にぴったりの小説を紹介してくれた編集者の慧眼にびっくりしたものです。
だから今度は皆さんにこの作品を紹介したかったのですが、残念です。

「夜の冒険者たち」 ジャック・フィニイ著 (絶版)
選者:浦沢直樹
これらの作品はすべて手元にありません。面白い作品だと「これ、読んでみ」と貸してしまう癖があり、だいたい返ってきません。人に貸すということは、よほど面白かったので、自信を持って貸しているんだと思います。
「夜の冒険者たち」は、今は絶版のようですが、40年ほど前に新人漫画賞をいただき、プロ漫画家でやっていこうと思ったはいいけれど、何を描けばいいのか途方に暮れている時、ベテランの担当編集者が「浦沢くんはきっとこれ好きだよ」と紹介してくれた小説で、こんなに自分にぴったりの小説があったのか!こんな作品を描きたい!と創作の根幹となったもので、ちょっと話しただけで僕にぴったりの小説を紹介してくれた編集者の慧眼にびっくりしたものです。
だから今度は皆さんにこの作品を紹介したかったのですが、残念です。

「空の青さをみつめていると 谷川俊太郎詩集 1」 谷川俊太郎著
選者:岡崎武志
最初の詩
教科書で知り、最初に買った詩集。私の時代には、大岡信編による一冊本(角川文庫)だった。やさしい言葉で、孤独や宇宙をうたい上げた名品ぞろい。この出会いにより詩が好きになった。

「赤頭巾ちゃん気をつけて」 庄司薫著
選者:岡崎武志
青春の在り方
大学入試が一年延び、モラトリアムにある心優しき薫くんの一日が、自在な話し言葉で叙述され大いに影響を受けた。日記や作文がみな、この文体になったのである。映画化された際の岡田裕介もイメージにぴったり。

「利腕」 ディック・フランシス著
選者:岡崎武志
プライドなくして生きられぬ
競馬をやらない私がハマった競馬小説がディック・フランシス。落馬して片腕を損傷した男が探偵となり、邪悪な魔手と対決。スーパーマンではない、むしろ非力な主人公が一度屈し、プライドを賭けて立ち上がる。胸がしめつけられる名作だ。

「すごいトシヨリ散歩」池内紀・川本三郎著
選者:岡崎武志
尊敬する大先輩
コメント物書きになってよかったのは、尊敬する大先輩である書き手に知り合えたこと。池内、川本両氏がそうだった。博識で柔らかな感性のお二人が、老年を迎え、旅や読書、映画について思う存分語り合っている。なんと楽しいことだろう。 池内さんの逝去は痛恨であった。

「プロジェクト・ヘイル・メアリー 上」 アンディ・ウィアー著
選者:乙一
ページをめくる手が止まらない小説
知的好奇心を刺激されるSF作品。ジョーク連発の飄々とした文章が最高。あまりにおもしろすぎて、読了後、ロスになってしまった。

「プロジェクト・ヘイル・メアリー 下」 アンディ・ウィアー著
選者:乙一
ページをめくる手が止まらない小説
知的好奇心を刺激されるSF作品。ジョーク連発の飄々とした文章が最高。あまりにおもしろすぎて、読了後、ロスになってしまった。

「代替医療解剖」 サイモン・シン エドザ-ド・エルンスト著
選者:乙一
コロナ禍だからこそ読みたい本
同著者の『フェルマーの最終定理』や『暗号解読』が有名だけどこの本もオススメ。健康というテーマが身近なため、衝撃の度合いは高い。これを読んで、生き方が変わりました。

「亡びの国の征服者 1」 不手折家著
選者:乙一
異世界転生×戦記の新たなる金字塔!
続きが気になりすぎて徹夜で読んだ小説。科学、宗教、歴史、政治、様々な知識が織り交ぜられた本格ファンタジー。戦争とは何か、あらためて考えさせられました。

「悪役令嬢の中の人」 まきぶろ著
選者:乙一
悪役令嬢ものを読みたい人にオススメ!
数多ある悪役令嬢ものから一本。表題作の短編は、タイトルの意味がわかった時、感動がおしよせてくる。悪役令嬢ものというジャンルのおもしろみが凝縮されている。

「銀河の片隅で科学夜話」 全卓樹著
選者:乙一
世界一美しい科学エッセイ
科学者の視点で世界が詩情豊かに綴られている。抽出されたエピソードのおもしろさ、深さに、何度も感嘆のため息がもれた。私たちとは異なるレンズで、宇宙を、世界を、人間を切り取っている。

「しろいろの街の、その骨の体温の」 村田沙耶香著
選者:押見修造
印象深い小説
思春期の地獄について、女性側から描いた小説。社会や街に対する呪いの感覚、性と自意識、成長。「身体」がすごく意識されることが、男の地獄との違いなのかなと思いました。僕はこの主人公のように自分の身体を認められていない、羨ましい。

「グミ・チョコレ-ト・パイン グミ編」 大槻ケンヂ著
選者:押見修造
影響を受けた小説
学生時代に読み、これもまるで自分の内面が書いてあるように感じました。「自分は何者にもなれないまま一生を終えるのでは」という不安を受け止めてくれたこと、「こんなふうに人を好きになりたい」と思わせてくれたことが思い出深いです。

「グミ・チョコレ-ト・パイン チョコ編」 大槻ケンヂ著
選者:押見修造
影響を受けた小説
学生時代に読み、これもまるで自分の内面が書いてあるように感じました。「自分は何者にもなれないまま一生を終えるのでは」という不安を受け止めてくれたこと、「こんなふうに人を好きになりたい」と思わせてくれたことが思い出深いです。

「グミ・チョコレ-ト・パイン パイン編」 大槻ケンヂ著
選者:押見修造
影響を受けた小説
学生時代に読み、これもまるで自分の内面が書いてあるように感じました。「自分は何者にもなれないまま一生を終えるのでは」という不安を受け止めてくれたこと、「こんなふうに人を好きになりたい」と思わせてくれたことが思い出深いです。